家族でも、恋人でもない。
それでも、わたしにはあなたが必要だった。
幸せだった日々は、父を失い、母もいなくなったことで終わりを告げた。引き取られた伯母の家に居場所を見つけられずにいた少女・更紗(さらさ)は、ある日、公園で出会った青年・文(ふみ)に「家に来ないか」と声をかけられ、彼の家で時間を過ごすことになる。
やがてその日々は「誘拐事件」として世間に知られ、更紗は「被害女児」、文は「加害者」というラベルを貼られてしまう。それから十五年。再会すべきではなかったかもしれない二人が、もう一度出会う。
出版社の紹介文には、「あなたと共にいることを、世界中の誰もが反対し、批判するはずだ」という一節があります。周囲の人の善意や常識は、本当に当事者を救っているのか。「事実」と「真実」はどう違うのか。そんな問いを静かに投げかけてくる長編です。語り手が替わりながら物語が進んでいくのも読みどころです。
参照:東京創元社の内容紹介(紀伊國屋書店ウェブストア掲載)/ブックライブ あらすじ・書店員レビュー/広告業界専門紙「AdverTimes」2020年本屋大賞発表記事
ブックライブでは、76件のレビューで平均4.6(2026年10月10日に確認した時点)でした。
凪良ゆう先生は『美しい彼』きっかけで読み始めたのですが、この本もめちゃくちゃ良かったです。更紗と文の物語が実際に身近で起きているかのように感じられ、何度も感情移入し、感情を揺さぶられました。紡がれていく文章がとても美しく、いくつか好きな文章を思い出せるほどです。
出典:ブックライブ掲載レビュー(2024年5月・「るるるん」さん/一部抜粋)
名刺代わりの本にしたいと思った作品。偏見というものがガラガラと崩れる感覚があって、衝撃的でした。凪良ゆうさんの文章は読みやすく、心に残る一文が多いです。
出典:ブクログ投稿レビュー(ブックライブのレビュー欄に掲載・2026年9月)
めちゃくちゃ情景が思い浮かぶいい表現をするのですが、そのせいで感情や心象風景がものすごく心の内側に入り込んできます。だから、かなりしんどい気持ちと、めちゃくちゃ羨ましいなという気持ちになりました。心に残る1冊です。
出典:ブックライブ掲載レビュー(2025年12月・「ねる」さん)
途中にハラハラする展開があって、スラスラ読み切ることができました。登場人物に感情移入できるところが多かったのですが、あっさりめのストーリーだなとも感じました。
出典:ブクログ投稿レビュー(ブックライブのレビュー欄に掲載・2026年9月)
物語としても面白くて、先が気になりすぎて朝4時まで一気読みしてしまいました。ただ、途中かなり更紗にイライラします。今からでもいいから、ちゃんと世間に「真実」を発信してほしい、と思ってしまいました。
出典:ブクログ投稿レビュー(ブックライブのレビュー欄に掲載・2026年9月/一部抜粋)
本屋大賞だから買ってみたけど、私は夢中になって読むことはできませんでした。途中で真面目に読むのをやめました。登場人物の行動や思考の流れに共感できず、なんでそうなるの?と疑問が湧きました。この作品がつまらない訳ではなく、自分には合わなかった。それだけです。
出典:ブックライブ掲載レビュー(2024年5月・匿名/一部抜粋)
※高・中・低の区分は、ブックライブのレビュー欄では個々の星の数を取得できなかったため、文面のトーンをもとに分類したものです。レビューはいずれも実在する読者の投稿から、ネタバレにならない部分を抜粋・一部整えて掲載しています。全文や星の数は各サービスでご確認ください。
凪良 ゆう
なぎら ゆう
滋賀県生まれ、京都市在住。2006年、雑誌『小説花丸』冬の号に中編「恋するエゴイスト」が掲載され、翌2007年に長編『花嫁はマリッジブルー』で本格デビュー。以降、BL作品を中心に多くの作品を刊行し、デビュー10周年の2017年に非BL作品『神さまのビオトープ』を発表して高い支持を得た。2019年に『流浪の月』と『わたしの美しい庭』を刊行。代表作に「美しい彼」シリーズ(2022年に連続TVドラマ化)、『滅びの前のシャングリラ』『汝、星のごとく』『星を編む』などがある。
参照:Real Sound ブック(2022年)/東京創元社・紀伊國屋書店ウェブストアの著者紹介/個人運営の作家別書評サイト。生年については、公式の紹介文では確認できませんでした(詳細不明)。
| 著者 | 凪良 ゆう |
| 出版社 | 東京創元社 |
| 単行本 | 2019年8月発売/B6判・313ページ ISBN:978-4-488-02802-2 本体1,500円(税込1,650円) |
| 文庫版 | 創元文芸文庫 2022年2月発売/368ページ ISBN:978-4-488-80301-8 税込814円 |
| 受賞 | 2020年本屋大賞 大賞(2位『ライオンのおやつ』、3位『線は、僕を描く』) |
| 部数 | 文庫版の販売ページで「100万部突破記念カバー」が展開されています |
| 映像化 | 2022年5月に実写映画が公開(監督:李相日/出演:広瀬すず、松坂桃李、横浜流星、多部未華子ほか) |
参照:紀伊國屋書店ウェブストア(単行本・文庫版の商品ページ)/東京創元社/楽天ブックス/AdverTimes/Real Sound ブック。価格は参考(掲載時点)で、変わることがあります。
「普通」や「善意」について、立ち止まって考えてみたい人
周りの優しさが、当事者には届かないことがある。そんな読者レビューが多く見られる作品です。自分の思い込みをそっと見直したくなります。
家族でも恋人でもない、名前のつかない関係に興味がある人
二人の関係に、読者それぞれが違う名前をつけたくなる。そんな余韻を味わえる一冊です。
映画を先に観た人、観る前に原作に触れたい人
「映画で分からなかったところの答え合わせに読んだ」という声もありました。文章でじっくり味わうと、また違う印象になるかもしれません。